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April 08, 2013

CHÂTEAU MARGAUX 1972

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 本を書いた記念にと,義父が畏れ多くも第1級ワインを飲もうという。人間生きているとこういう僥倖にあずかることもあるのである。記念というにはあまりにも大きなプレゼントであるが,ここは畏まっていただくことにした。場所は金沢の第1級バー,カプリスである。
 以前にも飲んだことはある。しかしその時とはワケが違う。それよりも20年も前,私の誕生年のワインなのだから。1972年は比較的不作の年で,なかなか手に入らないものである。
 カプリスの才田バーテンダーが抜栓。実際にはかなり傷んでおり,ゆっくり開けながらも惜しい所でコルクが折れた。澱は少ないもののワイン自体もやや濁りがみられ,状態が心配されたが,テイスティングでは極端な味の変化はない模様。デキャンタージュして開くことを待った。
 ワインの色は煉瓦色に近くなっており,いかにも古酒という感じである。味の方は1976年のラフィットを飲んだ時に似て,やはり硫黄や溶剤のようなケミカルな香りが最初出てくる。これを時間をかけて空気に触れさせてくると,ようやく落ち着いてワインの味が出てくる。ブドウの香りや風味は十分に残っており,同時に土や木の香りがおしよせる。最初強かった渋みは,落ち着くとともにうんと柔らかくなっていく。
 さすがに40年のワイン,いわゆるワインの飲み頃からはやや外れだしてはいる。ただ「いかにも古酒」という性格がどのようなものかを知るにはうってつけのものであった。そうそう機会に恵まれることもないが,一度で決して忘れることのない経験となる。本当に義父に感謝。一緒に飲んでくれた皆にも。

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