基礎系には無関係
であるはずの「臨床心理士」,でも大学教員をしていると,これがそうでもないらしい.
心理学者のかなりは,大学に勤務している.もちろん心理学科や教育学部が多いのであるが,昨今の「臨床ブーム」で,学生を確保するために「臨床心理士の指定校」を獲得すべく,基礎系の先生にも発破がかかることも多いらしい.このために,臨床からは「ちょっと遠ざかって」いたいはずの先生も,資格をとったり,指定校の申請業務をしたりと,大変だったりするようである.
大体多い図式は,当の心理学の先生は「そんなのあんまり気が進まないだけどねえ」で,経営者側は「とにかく人気らしいから,うちも指定を受けるように」とソロバンをはじくというもの.確かにニカタの知る学生も,指定校を目指してまっしぐらという学生が結構多いので,むべなるかなという感じではある.
そこへきて今回の「医療心理師」の法制化の動き,そんなにサイコロジストを作ってどうするつもりですかね.
「まだまだ足りない」とも「もうオーバーフロー」ともいわれる臨床系の心理屋の数,要は力のある臨床家はまだまだ必要だけど,絶対数自体は足りてるのではなかろうか.反対に大学に心理学関係者が1人しかいないという事情から,臨床の専門家ではない「力量のない」心理屋,すなわち基礎系がかたやカウンセラーとして相談室につめたりしているのも事実.それではいけないというのは目に見えているので,なぜか小さな大学では「社会心理学」や「教育心理学」,「心理学一般」のポストの求人にも「臨床心理士資格」が必須とかかれたりする有様.そのうち臨床の「覚え」がないとアカデミックな就職はほとんどなくなるような勢いである.
しかしまあなんですな,少しでも力量のある臨床家を養成したかったら,ソロバンはじいて学生を集めたりせず,今までのとおりに,いたいけな大学生に「考えていたのとは違う心理学」のシャワーを浴びせ,それでも臨床に噛り付いた学生を徹底的に鍛えて,力のあるサイコロジストに仕上げるが良いように,門外漢には思えるのだが.ま,門外漢には分からないところですな.
そんなこんなで,基礎系の心理学者にも,なぜか影を落とし気味の「資格問題」.

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