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September 12, 2005

柔軟な思考(2)@臨床編

 学会は同窓会に近いところもあり,普段会わない他の領域の友人と談論風発.比較的「理系っぽい」臨床のGさんといろいろ話す.「類推で何か療法考えなよ」ってそれは無理な相談なのだが,そのうち面白そうな話になった.

 心理療法の一つのアプローチとして認知的なアプローチがある.専門ではないのでかいつまんで話せば,その人がもつ不適切な信念や志向を修正するために,リフレーミングを行なったり対決したり.あるいは他のアプローチとして,ロジャーズのパーソン・センタードのようにクライアントの表出をもとに,本来もつ潜在的な力の気づきを促したり.そういう意味で多くのアプローチは「表象の変容」を伴っている.
 反対に考えれば,なかなか変容しない,柔軟ではないために問題が生じるともいえる.つまりその人の知識表象が頑健な制約を受けている状態.イラショナル・ビリーフなんかはその代表か.リフレーミングのようなアプローチは,外からその制約を緩和するような介入の導入であり,ロジャーズのようなものは自発的な緩和とも言える.この辺,類推の転移の話に良く似ている.ちなみに,自発的転移が困難なように,ロジャーズさんは時間がかかる.
 ここまできて思いつくのは,さっきの鈴木先生の別の研究,「制約の動的緩和」のようなもの.心理療法におけるアプローチのいくらかは,こういう制約緩和のメカニズムと類似しているのではないかというのである.であれば,あれこれ分析するのとは別に,認知心理学の方法のようにかなりシステマティックなプロセスを研究の俎上にのせることができるのではないか.Gさん曰く,「それは結構面白い」のだそうだ.
 うーん,リフレーミングのような研究を沢山読むと,どこかで類推の面白いネタが転がっているのではなかろうか.もう少ししたら,改めて考えてみるよ.
 

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