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May 22, 2006

心理学と気象学

 心理学をやっている私からすれば,心理学と気象学というのは比較的近い学問なのではないかと思う。
(心理学と気象学の類似点)
・仕事としては現象の測定と予測が主
・基本的な手法はデータの数量的な測定と質的情報の収集
・アウトプットの信頼性は確率的
・個々の事例の記述も重要なデータとなることがある
・理論から個々の現象への当てはめは,常に対応するとは限らない
・気象学者と心理学者の興味は,現象から一般性のある知見を引き出すことに向かいやすいが,
多くの人の興味は,未知の事象の予測に終始しやすい。
・臨床家と気象予報士という,学者と多くの人を繋ぐような立場の人が存在する。

 このくらいあれば,アナロジーは十分に成り立ちそうだが,多くの人にとってこのアナロジーはピンと来ないのかもしれない。それは相違点のもつ「重み」によるかもしれない。
・天気の予測に異を唱える人は少ないが,人の心的過程を予測することは「気持ちの悪い覗き見」に見えることがある。
・多くの人にとって,天気のことは分からないが,人の心は結構分かっているような気がする。

 アナロジーが成立しやすいかどうか,また納得がいくものかどうかは,この「相違点」の想起できる数にも影響を持つのではないかと思われる。対応付けの研究は多いが,相違点の見積もりの研究は少なそう。結構調べてみると面白いかもしれない。
 そして,ひょっとすると天気予報の「精度」は,人が知覚や認知の特徴に対応すると,より「高く見える」のかもしれない。人の認知傾向にフィットした天気予報には可能性があるか,ちょっと興味がある。
 だとしたら,本当は気象学に通じた心理学の専門家がいると面白いのかも。思わず気象予報士の資格でも取ってみたいと少しだけ思ったのは,きっと荒唐無稽な話だと思うけどね。でも面白そうだな,気象予報士の心理屋。

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