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June 05, 2006

マニュアル化仕事の問題

 若いときから今に至るまで,「自分の手で作り上げた」仕事は少なくない。特に後輩や同僚が苦労しないようにと,自分で立ち上げた仕事もある。あるいは,こういう仕事は誰かがマニュアル化して,利用しやすくするべきだと強いてテキスト化したものもある。しかし,これが本当に「良かった」のか,往々にして迷うことがある。例えば,
・教育産業の先生として,その仕事場の実態に合うように1年かけて自前のテキストを作った。もちろん後輩の先生にも使ってもらい,仕事場の統一テキストにした。しかし結果として,このようなデータベース化が,若い後輩の「授業への努力」をそいでしまったような気がする。
・心理学の学生向けに「研究指南」のテキストもこの10年で沢山持っている。とはいえ,1つのマニュアルを作ることで,柔軟な研究への対応力を失わせているのでは。
・官僚は問題が起こると,その対応のために規則や法律を制定する。ないしは,その問題にまつわる業務の管理体制を強化する。数年は功を奏したりするのだが,その結果,組織と仕事は肥大し,かえってスムーズな業務を妨げる。

 全くマニュアルや知識の伝承のない世界では,ある個体はこれまでの系統発生的な流れを全て追う必要があるので大変である。しかし,どうも良かれと思って親切にも組み上げた仕事が,結果として後を追う人々の「力」をそいでいるのではないかと思う。「新しいマニュアルを出来る限り作らない」ようにして,「旧来のマニュアル」あるいは旧来の手続きがそのまま流用可能なシステムの構築は,これからの社会では必要になってくるのではないかと思う。そして,1人1人が少ない情報からでも柔軟に対応できるような可塑性の高い個人にしているよう,何らかの手を打つ必要があるように思う。
 もちろん,それを「情報リテラシー」というのではないかとも思ったりする。

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