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August 04, 2006

受験生の欲しい情報とは

 日本中,どこの大学もオープン・キャンパスの時期であろう。で,各大学とも,「魅力ある大学としての情報発信」に躍起になっているのだと思われる。今日は「受験生が欲しがる情報」の雑感なんぞ。
 多くの大学のホームページや案内では,「うちにはこんな学部があります」,「こんな就職口があります」,「受験はこうなってます」といったダイレクトな情報はどこでも手に入る。これに対して「キャンパスライフ」に対する情報は意外と年中行事だとか,部活の紹介とか,わりと通り一遍のもののようだ。
 最近思うのは,受験生が欲しい情報は,その大学に求める学科があるかとか,受験科目はどうなのかといった「本当に必要な情報」だけでなく,「合格してその大学に入ったときの自分のイメージを描ける情報」もあるのではないかと思われる。
 

 遥か15年程前の受験生であったニカタは,大学の偏差値や受験情報も確かに調べはしたが,大学を選ぶ際に比較的楽しく利用したのは,「週間賃貸ニュース」と「赤本」であった。アパート情報誌では,その大学に行けば大体どの辺りに住めるかが分かる。その大学に行くわけでもないのに,沿線の雰囲気や近くの繁華街に思いをはせて,来るべき大学生活を楽しく謳歌するわが身の空想に耽溺した。赤本も,当時貧弱だった大学広報の中で,「学生通信員」というライターを雇い,彼らが書く体験記,個人的な思いを十分に披露させていた。これが当時の学生には,その大学のリアルなところを想像する数少ない手がかりであったように思う。要は,大学として「真っ当な情報」だけではあまり魅力的ではないということでしょうね。だから某掲示板その他に沢山の情報請求の書き込みがされるわけですな。
 実際には,その大学の「リアル」が分かることは,これから志望校を選ぶ学生だけではなく,あらかた「その大学を受験することに決めた」高校生にも意味があると思う。例え志望校が決まっても,他の情報その他にさらされると,受験の意志が揺らぎやすいものである。むしろ「その大学に」と決めている生徒が,いつでもその大学への興味と動機づけを失わないように,学園祭に恋愛事情,バイトの苦労など,大学とは関係のない「大学生活」に至るまで,提供することは意味があるように思う。大学の中には,公式のホームページから学生や卒業生のブログにリンクが張られているところもある。実際ブログの内容なんて,公式に取り扱うにはどうかといった内容も多いが,それはそれで意味あるものと考えているのだろう。確かに,受験生は見ていて想像をたくましくするであろうと思う。これは動機付けとしては重要である。
 幸い私の受験した大学は,輝く業績から刑事事件まで,実に露出度の高い大学であった。毎日のようにその大学の名前がマスコミに出るのだから,その動機付けは相当のものだったと思われる。だからこそ,東大や早稲田のような「どこででも名前を見る大学」は人気があるのではと思う。
 親切かつ丁寧な大学広報も大事だが,「受験生の想像をたくましくする」広報も大事なのでは,と思った最近であった。

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Comments

体験談ってのはほしいですね。大学生活を想像するための手がかり,アナロジーによる問題解決にも似てるのかな??

防災マニュアルを仕事で作っていますが,体験談ってのは情報源としておもしろいんだろうという実感があります。防災に必要な情報の整理は必ずしも十分ではないですが,ストーリー化されているということが理解を促進する気がします。

Posted by: しまだひであき | August 04, 2006 06:54 PM

ニカタです。

>ストーリー化されているということが理解を促進する気がします

ナラティブ(物語性)としてものを考えるというのは,かなり多くの人の中で選択されている方法のようですね。
類似した手がかりがあって,目標のようなプラグマティックな要素を共有していて,それ自体はアナロジーに良く似ています。さらに,そういう世界に浸るのが「楽しい」という人が結構いるらしいのというのがミソのような気がします。

Posted by: nikata | August 04, 2006 09:58 PM

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