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October 01, 2006

カツ丼学概論 第3講 「カツ丼の工学的検討」

第3講「カツ丼の工学的検討」

ー カツ丼の調理法 ー
 カツ丼(本講義においては「卵とじ形式」のもの)は、非常に大胆かつ繊細な調理を以て供される。本日は、最も一般的な手順を追ってカツ丼の調理法について議論を行う。

1 材料の用意について。
 通常、カツ丼を構成する基本要素は、以下の項目に集約される。

a)米飯
b)トンカツ
c)卵
d)つゆ

 カツ丼は、その視覚的概観において、上記の4材料を使用することにおいてカツ丼の見た目を形成することが可能である。しかし、通常は次の要素を要する。

e)具材系野菜 (タマネギ・ネギ)
 カツ丼の風味、食感をカツ丼らしくするために必要な材料である。
 そこで今回は、この最低限の要素をもって調理について説明を行う。

2 炊飯
 第2講でも示したように、カツ丼で使用される米は通常ジャポニカ種が使用される。日本の多くの飲食店において、この米飯はあまり注意を払って用意されることは少ない。しかし、この米飯がどのようなものかによって、カツ丼の食味は著しく変化する。この点については後の講義に譲るが、一応米に加水し、熱を加えて澱粉の糊化が発生した通常の「御飯」を用意することになる。炊飯時間は、トンカツの完成時、すなわちカツ丼の調理以前に終了するようにしておきたい。

3 トンカツの作成
 トンカツは、0.8〜1.5センチの厚さに切られた豚ロース肉をここでは考える。スライスした豚肉をたたいてのばし、これに小麦粉・溶き卵・パン粉の順に塗布する。これを200度前後の油脂で揚げたものがトンカツである。技術については「カツ丼学演習(本年非開講)を受講されたい。

4 カツ丼の調理
 もっとも重要な調理である。ここでは具材として、タマネギ・三つ葉を使用した場合を考えることとする。
 まず、揚げられたトンカツを、幅約3cm前後にカットする。この際油切りはしっかりとすることになる。そして専用の鍋(ない場合は目玉焼きフライパンでも十分)にだしを張る。量は80〜120ccが多いであろう。同時に薄くスライスしたタマネギを投入し、3分ほど火が通ったところでカツ投入である。この際の技術としては、いかに完成したタマネギに火が通るかが問題である。さらに溶き卵投入。この際、卵を完全にとくか、あるいはさっくりとくかについては、研究の知見が定まっていない。また、完全に火を通すか、半熟の状態を維持するかについても同様である。これについては、さらなる歴史的研究・官能検査による比較が求められる。
 いずれにせよ、卵に火がある程度通り、タマネギに火が通った時点で完成である。

(課題)
 日本では、カツ丼のレシピが比較的多く手に入る。これらを比較し、どのような技術の違いが見られるかについて検討せよ。文学の場合、複数の写本、あるいはバージョンを比較する場合、これを対校研究という。カツ丼のレシピに関する対校研究は現在存在しないので、提出の場合、論文形式として発表することを勧める。

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