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March 15, 2007

青色街灯の心理的効果

  金沢市の隣に野々市町というところがあって,2つの町内で街灯の色を青くするという試みがされているらしい。どうして青くすることになったかというと,以下のような背景があるらしい。
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 イギリス北部の都市グラスゴー中心部のブキャナン通りで、景観改善を目的にオレンジ色の街灯を青色に変えたところ、犯罪が激減するという現象が起きた。 このため犯罪抑止を目的に青色の街灯が利用されるようになりました。これを参考に,日本でも奈良や天理,磐田などで導入が行われており,一定の成果を上げている。この理由として,青色の光が鎮静作用をもつのではないかと考えられている。
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 で,今回はとある放送局からの取材をうけて,実際にその町まで赴くことにした。
 実際の町の様子はこんな感じ。
Imgp0123Imgp0130


 まわりの様子は住宅地や近くにある学校のためのアパートが建ち並ぶ地帯で,自転車盗などが頻発していたが,実際に減少しているという話。とにかく現象が存在するわけだから無視出来ないのだが,いろいろ考えてみるとかなり検討の余地があるのではないかと思われる。
 


・実際の町の様子を見ると,青色電灯以外にもアパートの常夜灯など通常の白色光が多く,青色光が優越して影響を与えるとはいいにくい。
・見た目にはかなり暗く感じられる。それでも元々の蛍光灯よりも電力のかかるものを使用しているらしい(それではコストパフォーマンスの問題もあろう)。
・グラスゴーの事例以外は,「防犯効果の高まり」による影響を無視出来ないとも思われる。実際この地域では住民による夜警もきちんと行われており,青色街灯をつけたことによる「アナウンス効果」の可能性もある。
・少なくとも現在の時点では「青色光」は奇異に見える。この奇異性が影響している可能性もあろう。もし東京都一帯が青色街灯になったとしたら,犯罪は減少するだろうか?

 もし研究を行うとして,実際の効果を検討するためには,次のような分析はあるかもしれない。
・青色光が中心となりやすい区画と,そうでない区画での犯罪発生の状況。
・青色光が中心となりやすい時間帯と,そうでない時間帯での発生状況。

 一番問題なのは,青色光が鎮静作用を本当に持つかということ。食品を青くすることによってダイエットをもくろむような試みもあるようだが。まあこれも実際には検討する必要があるだろう。
 ちょっとだけ思ったのは,「日焼けサロン」のあの機械も青色の光を放つのだが,あの機械で白色光だった場合と,青色光だった場合では鎮静効果が違うのだろうか?調べてみるのも手かもしれない。

 こうなると,実際には心理学の研究者の手では余ってしまう。大概の研究は実験・調査のために大きな費用や労力がかかってしまうためである。また,混交する変数が多いこともあって,研究の方法も困難だったりする。だから結果も出にくいのではないだろうか。そうなると企業あたりは手を貸してくれなさそう。行政が委託研究をするような可能性にかけることになるだろう。

 おもしろいけど,なかなか難しいこの問題。ええ,取材でもそう答えましたとも。

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