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May 31, 2007

人生相談と心理相談

 新聞や雑誌に目を通せば,いわゆる「人生相談」のコーナーが沢山ある。1つ1つを眺めてみると,そおねぇ,そうだよねぇというものから,そんなこと言ってもこの相談者(正確には「来談者」)には多分伝わらないよねぇというものまである(もちろん,答える側に問題あるぞ,というものもあるのだが....)。で,答えを貰った相談者は役に立っているのだろうかと思うのだが,よくよく考えると人生相談というのは,その後どうなったか,あるいはその答えが良かったのか悪かったのかという評価が基本的に出来ないものであることに気づく。
 これは心理相談や精神療法のようなものとは,随分違うんだなあということが分かる。そもそも相談者の方も主訴とほんの少しの状況だけしか伝えないのだから,受ける側にとっても正確な見立てすら叶わないのではないのか。ましてや結果の評価なんて,ということになるのである。その意味で,いわゆるカウンセリングとは異なる。ではこの種の人生相談が役に立つとしたら,一体どういう役に立つのか?

 その価値もまあある訳で,相談者云々の問題よりも,それを見た読者が,何らかの「ヒント」を貰えればよいと言うことになる。こちらの方がおよそ効果があるのだろう。ないしは,そういう「やりとり」自体を見ることが,一種のエンターテイメントであるという意味もあるのだろう。そうなると,人生相談は誰かのためにやっているのでは必ずしもないことが浮かび上がってくる。その点について何か文句を言うつもりはない。
 ただ,1つ困る点がある。実際に何らかの問題を抱えて,解決のためにカウンセラーのところへ行く相談者にとって,この「人生相談スキーマ」が喚起する「相談というもののイメージ」を作り上げてしまうことである。このイメージの大きい相談者は,実際のカウンセリングとのギャップにえらく混乱する可能性がある。そのため,カウンセリング自体が円滑に進まないことも考えられるだろう。もっと悪くすると,イメージにあう「粗悪な相談」,たとえば某霊能者とか○○カウンセラーとかに振り回される可能性もある訳である。それが本当に問題なのかはともかくとして,いわゆる心理系の相談を提示する以前に,正当な「心理カウンセリングリテラシー」を持っておくための準備教育といったものがあっても良いのではないかと思われる。
 うーん,これは一筋縄ではいかないし,こちらの都合で話を進めて良いものでもないし。なかなか難しいねえ。

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