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October 05, 2008

その施策は有効か?

 女性研究者の採用で人件費支援(朝日新聞).いわゆるポジティブ・アクションとよばれる優遇策である.もちろん優秀な女性研究者が男性と同じように職に就くこと自体については賛成で,研究や教育がきちんとできる人を雇えばそれでよいと思う.現在の時点で事実上女性の方が不利な立場にあるというなら,それに積極策をあたえるのも「アリ」である.
 ただしここで考えておきたい問題がない訳ではない.この施策「3年」の時限的施策ということである.大学や研究期間は,「3年後」以降もきちんと女性を雇用できるのだろうか.もしこの優遇策が,そもそも女性に対する構造的な不利によって起きているなら,3年後職に就けない女性が増える,それも現在以上に,ということはないのだろうか?もしそうなるとすれば,もっと問題だとも思う.
 実際には,構造的な問題を解決することが重要だろう.研究ができても大学人としての,あるいは社会的存在としての素養に欠ける研究者の再教育とか(最近そう思うようなことがあった),女性が一時的に研究・教育に積極的に関われない期間(育児とか)をサポートする非常勤教員の充実とか(PD対策にもなれば...),地味だけど有効な施策というのは他にもあるのではないかと思ってしまうのである.
 あるいは,もう本気になって大学教員は企業や会社のように中央で一括採用し,人事異動が可能な制度に改めても良いのかもしれない.育休の先生の代わりにこの先生を人事異動とか.もちろんその弊害は今のところ大なので,そう迂闊に言える話でもないが.無能な一教員である私にとっては震え上がるような話だが(左遷されたりして...),この大学という斜陽産業,そろそろそういう時代にさしかかっているのかもしれない.

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Comments

大学に所属していたこともあり、大学院で研究をしていたこともある女性の立場として一言。

障害者を雇用した企業に助成金、これは自立支援という社会福祉の観念からも理解できる。
しかし、研究職に女性を雇用したら助成金、というのは筋違いも甚だしいと思う。こっちから言わせてもらえば「馬鹿にするのもたいがいにせぇ(`Д´)」
研究とはあくまでも成果を期待されているもので、女性・男性の別はあってはならない。有能であれば女性でも男性でも能力を伸ばして研究を続けることができる環境を整えることが必要なのでは?そもそも子供に急な対応が必要になったとき、女性だけが右往左往するというのもおかしい。男性も子供に何かあった時に身軽に動ける環境があってもよいのではないか。お互いに人間らしい生活をしていれば、女性だからとか男性だからという変な軋轢は生じないのではないかなぁ。

例えば保育所、予定外に急な対応が必要な時のバックアップ体制、時間的・肉体的負担の軽減、身分の保証など、子供を育てながら頑張ることができる環境さえあれば仕事を続けてキャリアアップしていくこともできるはず。
それに対して、特に大学(産婦人科でも!!)のトップ達は、この時期の女性に対して「人手も足りないし、すき間家具として適当に使って飼い殺して、死なない程度に給料やってりゃいい」としか考えていないことが多い。だから私は大学を出た。
このような考え方の古い人種の方向性を変えるには「女性を雇うと600万あげますよ」というのは有効かもしれないが、それでは女性が本当に活躍して、社会で有効に使われることになることは期待できないと思う。
女性にはどうしても結婚・妊娠・出産という、足踏みしなければいけない時期がある。教授などによくある、男の目線から「だから女は使えない」……ならお前も子供作ってんじゃねぇ(#`皿´)いやむしろ、じゃあお前に子供が産めるのか?!
私は特に、産婦人科という職業上の特性から、妊娠・出産・育児で足踏みもしたが、仕事の上でもこのような経験をしていない男性医師に比べるとプラスになったことも計り知れない。
産婦人科に限らず、どんな分野でもこの時期はマイナスなだけではない。

そもそも医学にしてもその他の分野にしても、科研費が少なすぎる(`◇´*)本題の研究に回す金もないのに育児中の女性の援助なんてできんだろうなぁ~
何とかならんのかねぇ……

Posted by: キハラ | October 07, 2008 at 12:07 PM

>キハラさま

>「馬鹿にするのもたいがいにせぇ(`Д´)」

 まずはそう思うでしょうね.女性も男性と同じように努力しているはずですから.妻子のない男の目線ですが,「もし育児で今の仕事のプランを2〜3年変更する必要があったらどうしよう」と思うくらいですから,女性の苦労はおそらく計り知れない.
 そういう中で必要なのは,やはり環境の整備であって助成金のような特典の付与ではないことは間違いないように思います.
 あと,考え方の古い人種の視点から脱却出来る環境の整備も重要でしょうね.要は,家庭生活への参画と引き替えに仕事へのリソース投入をとったことによってメリットを得た人たちな訳ですから,それがメリットとならない環境作りは大切かもしれません.
 もっとも男性の目線からすると,現代の晩婚化・非婚化は,社会自体が「男性も平等に家庭の維持に参画しろ!」という社会的な進化を回避しようという動きの1つのようにも見えなくはないです.その意味では,男性もずいぶん働かされて疲弊しているのかなあと思います.
 まあ環境の話をしだすと,核家族化とかいろんな問題が絡まってしまうので,この辺で.何とかなってほしいですよね.

Posted by: nikata | October 07, 2008 at 12:31 PM

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