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January 13, 2009

シダー・ウォルトンとボブ・ミンツァー

 一流以上の力量を持ちながら,なぜかちょっとだけ陰に隠れるジャズ・プレイヤーといえば思い出すのがこの二人。私はとても大好きなのであるが,リーダー作は実力に比べて少ない(と思っている)。
 シダーといえば,アートブレイキーの「モザイク」とか,「ウゲツ(Fantasy in D)とか,イースタン・リベリオンの「ボリビア」とか,小粋な名曲の作者である。おまけに分かりやすいプレイでも群を抜く。何というか,悪口を言えば圧倒的な技術はないというか。シンプルなフレーズから始まって途中で盛り上がる。そのうち単純なフレーズの繰り返しで盛り上がりを持続させ,最後はブロックコードでおしまい,みたいな彼らしい組み立てがある。これが大学でジャズをやっている学生にとって見れば,「何となく真似出来る」ものにも映る(秋吉敏子やトミー・フラナガンにもこの気がある)。ひょっとするとシダーの人気は,リスナーと言うよりアマチュアプレイヤーに支えられているのか?といった気になる。幸いまだ健康で存命である。ぜひ大事にしておきたい。
 これまでも何度か紹介しているので,今回は基本のこれを勧めたい。「ターコイズ・トゥワイス」が名曲である。

 そしてボブ・ミンツァー。プレイヤーとしては本当にお馴染み。ジャコ・パストリアスのビッグバンドでも知られているし,何といってもイエロー・ジャケッツは彼なしにはGRPのビッグバンドでも多くの楽器を持ち替え,巧者としての力をいかんなく発揮している。
 だというのに,なぜか「サキソフォーンの雄」にはならないミンツァー。何というか,テクニックではブレッカーに惜しくも及ばず,ブロウスタイルとしてはショーターのふっきれ方はなく,アレンジは上手くとも曲はイマイチという「常務取締役止まり」型の優秀さが「ちょい陰」を醸し出している。
 こういう場合,本当は「バークリー音大の有名教授」とかの方が向いているのかもしれない(事実,彼の書いた教科書は多い)。シダーと同じく,リスナー以上にプレイヤーからの信頼が篤いのではないかとも思われる。
 彼については彼の比較的少ないリーダー作からこれを紹介する(これすら,ジャコが参加しているということから紹介されることが多い)。こちらの“Spiral”もスリリングなプレイが聴ける。

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