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February 16, 2009

窓の外は雪の見本市

 細かな雪がサラサラと降る。それが風でザラザラと降る。大きな雪がぼさぼさと降る。それが強風にあおられてボウボウと降る。まだ積もっていないけれど,しんしんと降る。1時前からこの2時間,雪がいろいろな表情で降る。みるみるうちに気温が下がり,慌ててファンヒータの設定温度を上げておく。
 風に煽られて降る雪は抜き差しならない厳格さだ。大きなファンを使って消火剤を吹き付けるような猛烈さ。まず車の屋根とガラスから積もる。濡れた家の屋根は後から。屋根に厚みを持って積もる頃には木々にも大学のグランドにも積もり,生き物の痕跡を隠す。
 窓の外が白くなってきた。100メートル先の視界が遮られ,近くにあるはずのビルが全く見えない。道路の融雪装置がようやく動き出し,雪と水のまだらな模様を作る。

 南国と呼ばれる国に生まれ(雪が降らないというだけで,それはそれで寒いのだが),関東の途方もなく青い空の下で大人になり,今こうして白魔の女王に跪く。身も心も一刀に斬られ,なお甘美で官能的な雪降りの日。
 もしこの世から見送られるときが来るとしたら,日差し降り注ぐ照葉樹の景色の下か,降りしきる雪景色の下がいい。仕事も手につかず,ずっと窓の外に目をやる午後。

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