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May 09, 2009

読み応えのあるアカデミック本

 連休,下條信輔の「サブリミナル・インパクト」と苅谷剛彦「学校ってなんだろう」を読む。どちらも大変読み応えがあり,あっという間に読破。専門領域のトピックを平易に伝えている。どちらの本にもいえるのは,単に専門領域の啓蒙書というだけではなく,「文学的な出来のよさ」があることである。
 苅谷の文章は中学生が読むことを前提としているため,専門的な概念を実に周到に砕いてある。これは研究者の視点だけではなかなか出来ることではなく,「教育」学者としての面目躍如たるところがあるのだろう。下條の方は(それほど平易というわけでもないのだが),注意という心理学の研究を視座に,マーケティング,政治と深い射程の論考を展開している。それも,一つ一つを積み重ねることで,次第に遠くの射程へ。ちょっと推理小説を読むような感じすら覚える。
 近年このような「文学的センス」を使える研究者が増えてきたのではないかと思う。下條のほかにも,「生物と無生物のあいだ」分子生物学者の福岡伸一などもこれに属すると思う。これからは,「文才」を活かした研究者がさらに増えていくのではないだろうか。

 そうなれば,こちらも時流の先端を行くつもりで何か。と言いたいところだが,文才がなくてスミマセン。ましてや研究者としてのクオリティも足りなくてドーモスミマセン。

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Comments

はじめまして。
ネットサーフィンをしていたらこちらにたどりついてしまいました。
30年近く前になりますが、私はお父様に受け持っていただいた教え子の一人です。
人生紆余曲折あり今大学院で教育や心理について学んでいます。
学生になった今、先生の偉大さに気付かされることが多く感慨深い日々を送っていたところ、こちらのブログを読むこととなり大変驚いています。
小学生の頃は、先生が毎週書かれる学級だよりを読むのが楽しみでファイルにとじていました。
今ではそれが私の宝物となっています。

こちらのブログに出会いまた楽しみができました。
突然のメールをお許しください。

Posted by: ぷにょ | July 28, 2009 06:45 PM

>ぷにょ さま
荷方です。父を知る方がいらして嬉しく思います。

父の学級便りはよく知っております。
(そして、私ら息子がしばしば登場したことも)
教育研究に携わるようになって随分たちますが、講義の中で父や家族が良く登場します。親子ともども似たような手法で伝えるようになったものだと思います。

お越しくださりありがとうございます。またよろしくお願い申し上げます。

Posted by: nikata | July 28, 2009 07:24 PM

先生はご家族のことをよく書かれてましたね。
「うちのチビ」とか「三男坊」として邦夫さんは登場されてます。

大人になって学級だよりを読むと自分の読む視点が違うことに気付きます。
先生はご自身の教育観について多くを語っておられたんだなあっと。
ただ、当時でも先生が私たち子どもを信じてくださっていたことを日々肌で感じていたように思います。
今でもその感覚は残っていて、学生生活を辛く感じる時に支えられている感じがしますね、はい。

Posted by: ぷにょ | July 29, 2009 06:58 PM

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