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July 15, 2009

どういうつもりだろう?

 「有識者」の集まりである中央教育審議会が,今度は大学に「職業指導(キャリア・ガイダンス)」の授業の導入を行うと検討を始めたという。ソースはこちら
 大学生の職業・勤労観形成を促し,社会人として必要な資質能力を高めることが目的という。生徒指導論を教え,職業指導や就職支援の業務にも携わる立場として言えることは。

 「それが授業で高められるというなら,苦労はしない」

 学生が就職に悩み,離職を試みるのは,場合によっては「先進的な職業観」をもっているからの可能性が強い。すなわち,自己のキャリア形成に関心が高く,自分にとって「やりがいのある」仕事をもとめ,かつこうありたいというライフスタイルの追求に熱心だからに他ならない。
 実際には「現実とのズレ」が生じ,そのズレとの折り合いをつけることも,職業指導上の重要なポイントではあるのだが,それを授業であつかうことによって何らかの解決が得られるというなら,あまりにも学生をバカにした話ではないか。授業はそれ程有り難いものでもない。
 これまでのように,就職支援室や学生相談の中で,1つ1つの問題と向かい合い,きちんと「ケリ」をつけていくことは非常に重要だと思うのだが,それを授業でといわれると,何ともいいようがない。

 もちろん,日々の講義の中で,職業観の育成や社会人としてのあり方を伝えることは出来る。そして多くの先生が大なり小なりやってもいるだろう。そういう「日々の積み重ね」の中に成長はある訳で,それを大学生のある時期,15回のカリキュラムで達成できると思っているならば,この国の学校観はどれほど楽天的で,しかもイージーなのだろうか。
 自己理解を深め,社会人としてのあり方を学ばせ,先人の教えから学ぶことで解決するほど,問題は容易ではない。

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