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August 23, 2009

飲み屋の政談

 つい最近まで,「政治と宗教の話は飲み屋でタブー」というのが,酒飲みにとっての暗黙の了解だったようなところがある。しかしながら,選挙が近いこの時期,ちょくちょく酒の席での政治の話が聞かれるようになった。
 よくよく聞いてみると,どれも積極的に誰を支持するという話ではなく,「まあ今回は」とか,「あの人本当に大丈夫かねえ」といった内容のものが多い。要は誰も「興味はありますが,積極的に関与しているわけでもありませんよ」ということであり,「選挙というのは色々話題があって面白いですねえ」という趣を呈していることでもある。
 この辺りを説明するとすれば,「劇場型政治」という言い方に代表されるように多くの有権者がエンターテインメントとして選挙をとらえていることであり,なおかつ受身であってあくまで傍観の立場であるのではないだろうか。エンターテインメントとして成立するなら,それはみんなでその喜びを共有する方がいいわけであって,だからこそ酒場談義になりうるのである。そして,本質的に政治そのものには,みな常に参加しているというわけではない。選挙さえ終われば,あくまで「お上」のすることで,少しでも上手くいかなければ文句を言えばいいのだから。

 タブーとまではいかないが,それなりに神経を使うものとして「酒場での野球談義」というのもある。場合によってはギスギスしかねない話である。こちらは逆に「巨人ファンが集まる店」とか,「店主が中日ファンだから,まあその辺は分かってよ」というそもそもエンターテインメントとしての立場を始めから確立しているものもある。
 そのうち日本でも(傍観者として)政治が語れるおでん屋とか,政治家のゴシップを楽しむバーとか出来るのかもしれない。それはまああまり良い話ではないのかもしれない。

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