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January 16, 2010

サポート,リテラシー,スキャフォールディング(かなりマニア向け)

 昨日の取扱説明書話から派生。新しい電化製品を使うとか,新築の建造物に引っ越すなどといった,「認知的人工物」に対する適応を考える場合,多くの人にとってそれに慣れるのには人間の情報処理という面でコストがかかるものである。これが,高齢者などよりサポートを必要とする対象ならばなおさらである。荷方(2009)はこういう情報処理に対する能力を「リテラシー」というこれまでの考え方の中で同様に扱うことができると考えている。そして,アクセスする媒体は資源(リソース)として取り扱うことができる。リソースは道具的なリソース以外,人的なリソース,情報リソースなど色々考えることができるだろう。

 取扱説明書は新たな環境に適応するための「道具」であるが,取扱説明書自体上手く読み取るための「リテラシー」が必要であり,いわゆる初心者や情報弱者はそもそもこのリテラシーが不十分であるため,結果として取扱説明書は使用されないことになる。このジレンマは問題で,この解決のためには,さらに取扱説明書を分かりやすくするか,ないしは他の情報取り込み戦略(Strategy)を採用するかということになる。
 この際,他者からのサポートは比較的有効であることはしばしば知られている。知識も含め,多くのリソースは他者によって提供されることが多い。そして,他者からのサポートは,それを受ける側の特性によってしばしば調整(カスタマイズ)された形で提供される。近年の状況論的認知研究では,このようなサポートをスキャフォールディング(足場かけ)という概念で説明していることが多い。

 ウッドら(Woodet al. 1976)は,スキャフォールディングの機能を次のようにまとめた。
 1.課題についての興味を喚起する。
 2.課題を適度にやさしくする。
 3.課題の達成過程を維持する。
 4.なされたこととよい解決法との違いの重要な要素を明確化する。
 5.問題解決過程でのフラストレーションをコントロールする。
 6.期待されているよい行動のモデルを提示する。

 これらを現実の中で達成するためには,基本的に人的な資源が必要になる。もしインタラクティブなコンピュータ,ロボットがより発展した場合この限りではないが,柔軟な使用という点においては,人ほど優れたものはないだろう。そこから考えると,やはりマニュアルは人間によるサポートにより近い,不完全なリテラシーに対してスキャフォールディングを行いうる活動,ないしはシステムというモデルから始まるのが最も有効な方略なのではないだろうか。

 あくまで仮定の話。でも,きちんと詰めていくと,一本の論文くらいにはなりそうな話かもしれない。スキャフォールディングの概念をより普遍的な世界に拡張し,われわれの世界の中で重要な役割を果たすものにし得る話かなあと。まずは晩酌後の備忘録として書き記すことにする。

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