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March 09, 2010

鯛のあら炊とわたくし

 私と鯛のあら炊の出会いは,小学生の頃,今はなき熊本の魚料理店「丁半」でした。ふとオーダーした鯛のあら炊定食に魅せられ,今に至っております。
 面倒な解説は抜きにして,鯛のあら炊の良いところは,「間が持つ」ということです。大振りの鯛半身を炊いて食べると考えましょう。恐らく30分はかかります。この充実感,カレーにあるでしょうか?海老のチリソースにあるでしょうか?これほど食べたという実感を時間で支える食べ物。枝豆を200g食べるより満足感があります。
 当然,鯛のあらは身をくまなく食べるのに熟練と技術のいる食べ物です。これを綺麗に食べることができることも,私と鯛のあら炊との深い関係を物語っているといえましょう。その美しさについて,私は昔読んだエッセイの一節をひくことにしています。

 猫が授業料払って,習いに来るほどです。

 どの店でオーダーしても,その食べ方に一言言われるので(一応賞賛だと思われる),この一言は重要です。

 私は声を大にして言いたい,この世にまだ「テーブルマナー」なる講習があり,高校生がナイフとフォークの使い方を学んでいるならば,もう一つ「鯛のあら炊き講習」も行うべきだと思うのです。箸の使い方の巧拙,食べ物に対する集中力,魚に対するネガティブイメージの打破,安い食材が至高の料理になる感動。どれをとっても,現代日本に求められるものではないでしょうか?これが本当の「食育」というものではないでしょうか?
 鯛のあら炊。それは私1人のことならず,世界を覗く鏡であるはずだと私は思うのです。

 (追伸)いや,本当にシャレですから。

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