« 休日 | Main | 3/10のお弁当 »

March 09, 2011

サバイバーの鈍感さ

 北陸出身で東京在住の方とひとしきりメール。その方曰く「東京の雪は根性がないので、翌日にはあとかたもなくなった」。そう,それはそうだ。北陸の雪とは訳が違う。雪の多い地方に住んだことがある人ならではの会話となる。
 同じことは他の天気にも言える。九州育ちの私には,北陸の台風は「根性なし」に見える。時折訪れる台風も,大きな災害にはほとんどならない。もちろんここでは注意が必要で,そういう天候でさえ,時には数人の人命を奪う。軽率にモノを言ってはいけないのだが,強烈なものに遭遇し,(幸運にも)大事なくやりおおせた人間にはそれらに対する耐性のようなものがつく。戦争も,病気も,およそ一度生還すると,心のどこかに「俺はここから這い上がったのだ」という気持ちが生まれるのだろう。
 こういう「サバイバーの鈍感さ」というのは,多くの場合その人の精神的な強さを育むようなところがある。当然その反面,重要なリスクの可能性を無視しやすくなることも事実だろう。特に他者を自分の目から見るようなときには,そういう傾向に十分敏感である必要がある。
 教師が生徒を見るとき,治療者が患者を見るとき,大人が子どもを見るとき。サバイバー・大人の鈍感さは,時として災害以上に強烈である。

|

« 休日 | Main | 3/10のお弁当 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92639/51073613

Listed below are links to weblogs that reference サバイバーの鈍感さ:

« 休日 | Main | 3/10のお弁当 »