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July 07, 2011

時間のかかる仕事の効用

 授業の資料として,本の有名な部分(今回はJordanの「ユカタンの産婆」)をこつこつ書き写す。先生という商売になってこのかた,こういう作業はコピーして切り貼りしたり,最近はスキャンして貼り付けということが多い。しかしながら今日は書き写しである。時間も手間もかかる(とはいえ十数分である)。
 何度も読んだ文章ではあるが,書き写すとやはり違う。何というか,文章の奥まで自分の中に取り込まれてくるようである。そもそも写すのに時間がかかる分,その中身に思いを寄せたり,想像したり。そういうことが必然的に増えるからなのであるが,こうやって作業したものは後の「血となり肉となる度」が違う。
 学生の頃やもっと若い時には,結構こういうことを良くした。国語の先生をやっていて,テキストや試験の文章をしこしこ手で打ち直していた頃は,仕事の多くの時間がこうだった。おかげで,さまざまな文体,言い回し,知識が私の中に血や肉となって,現在の私の「強靱な文章と知識」(あえてそう言わせてもらう)を支えている。
 時間ばかりかかって本当に地味な仕事だが,年をとった時の有難みは大きい。だからわざわざ若い時にやってほしい。そして本当は,この年になってもこういうことがいつでもできるような,心と時間の余裕がほしいと,切実に感じるのである。
 

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