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October 26, 2011

小曽根真 No Name Horses 2011

 2006年,金沢のジャズファンに衝撃を与えたライブから5年。あのNo Name Horsesが再び登場した。この5年の間で3枚のアルバムをリリースし,その確かなアンサンブル,個人の技量の高さ,そして新しいJAZZへの試みで更なる進化をしているであろうNo Name Horsesを,自分の耳と目で確かめるべく。本多の森ホールへ。さすがに大きなホールで観客の入りは渋い。

 前半はこれまでのナンバーから。オープニングは最新のアルバムからDon't Git Sassyなど2曲。初めからノリノリ! 続いて第3作“Jungle”から“Cave Work”などを,非常にシンプルな進行だがそれぞれのソロとアンサンブルが目くるめく変わる。クラシックのように細かいスコアを達者なそれぞれのメンバーが正確に支えている。
 そして来ました,第1作から中山英二郎の“T for 2”。中山&片岡のトロンボーン対抗戦。骨太な音で天才的なフレーズを繰り出す中山,メロウな音で難度の高い極彩色のフレーズを吹ききる片岡,もう一度これが聴けるなんて。こちとらこの5年の間,何百回と繰り返し聴いた曲。二人のタイミングもアーティキュレーションも体に染み付いております。一気に最高潮まで引き上げられる。
 サックスの岡崎をフィーチャーしたカルテット“Someone watch over me”で一呼吸おいたら(それはとても美しいプレイでした),コンサートCMでも流れた“No Siesta”。ここまでリズム隊の中村&高橋が良いプレイを聞かせる。Bassの中村は5年経って心なしか音がとても美しくなった印象が。前回「厚手」と表現した高橋のDrumも健在。いや,本当に横に流れない縦線のきっちりしたドラミングを繰り出す。ところどころで出る4で割り切れない連符が独特のゆらぎを作り出し,縦だけではない奥行きが感じられる。

 

 休憩をはさんで,後半はガーシュインの“Rhapsody in Blue”。もともとジャズバンド向けのものではあるが,グローフェによる最高の編曲がなされて後,クラッシクの傑作の一つである。これまでもOEK・井上と小曽根の演奏もあり(cond.I. は今回客席で見ることが出来た),彼の得意の一つであることも分かっているが,やはりオーケストラとJAZZのコラボレーションはどこかに噛み合わない所がでることも確か。彼はそれをどうしようというのか。
 15分ちょっとの曲が35分を悠に超える曲に様変わり。それぞれの部分が,様々なスタイルの曲想に緻密にオーケストレーションされており,楽器の個性をとらえたアドリブ・ソロもあちこちで聴かせどころになっている。そうなんだ,そうしたかったんだ。初めて「頭で聴かなくて良い」JAZZのRhapsody in Blueを聴いた。それにしても,やはりここも勧進帳のようなスコアがあるに違いない構成になっている。コンボのJAZZとは全く違う世界をみることになった。

 アンコール,“Coconut Meeting”で会場みんなが2−3の手拍子,プレイヤーが客席で吹きまくる大団円。客の少なめな中,2曲目のアンコール“No Strings Attached”までの2時間強。心からノレる白熱・迫真のライブだった。

 ちなみに昨日,市内では渡辺貞夫のライブもあったとのこと。それは贅沢かつ惜しいブッキングだったねえ。

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