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June 27, 2012

教職課程6年制について

 ずいぶん前に,というか民主党が政権をとって間もないころに,この話題について朝日新聞の「私の視点」に掲載されたことがある。以下に引用

ーーーー2009年9 月17付朝刊 「私の視点」ーーーーーーーーーーーーーーーーー

民主党は総選挙で示したマニフェストで、学校教員の資質向上を目的とした教員免許制度の改革を訴え、大学の教員養成課程の修業年限を6年に引き上げ、1年程度の教育実習もとりいれて、充実した教員養成を行うとしている。
現在日本で教員免許を取得するためには、教育学部などの教員養成系学部で4年間の課程を修める方法がある。しかし実際には、一般の大学の文学部や理学部などでそれぞれ専門課程を学びながら、さらに教職課程とよばれる課程で60単位前後の科目を履修して免許を取得する方法もある。この制度は開放制教員養成制度と呼ばれ、教員養成を主目的としない大学でも教員の養成が行える制度である。
この制度により、文学部や理学部で数学や英語を専門的に学んだ学生、美大や音大で芸術の専門的教育を受けた学生などが教壇に立つことを可能にしてきた。また、高校の農業科や商業科などの教員は、農学部や商学部など専門の大学・学部で免許を取得することがほとんどで、教員イコール教育養成系学部出身者という理解は現在の事情を反映していない。その意味では、身近な大学から東大まで、多様な人材を求めることができる柔軟さを戦後一貫して維持してきたのである。
 しかし、マニフェスト通り6年制の教員養成制度が実施された場合、この開放制教員養成制度は事実上の崩壊をきたす。通常の大学は4年の教育課程であり、さらに教員を目指すために2年の専攻課程を併設することは多くの大学で事実上困難なためだ。仮に大学院でさらに2年間専攻の学問を学びながら取得を目指すとしても、1年間の教育実習が本来の課程を圧迫し、新制度への対応は困難である。
 そもそも、6年間の修業による教員の養成は、既に昭和63年に大学院で専門の教育を受けた学生に授与される専修免許状制度によって実施されている。この制度は現在も存続しているが当初の意義を失いつつあり、必ずしも教員の資質向上につながっているとはみられていない。むしろ教育現場では、教員になった後の初任者研修などの職場内訓練をより重視する傾向が強い。
現在現場で問題となっているのは、多忙過ぎるため、教員が 実際に生徒と向かい合う時間がなかなか取れないことや、教員としての本来の研修である教材研究や授業準備が十分ではないことである。
こうした事態を改善するために、民主党も経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均並みの教員配置を訴えている。修業年限を6年にすることより、教員の数を増やすことのほうが、混乱が少なく効果的に、教育の質の向上につながる施策であると考える。

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 改めて思うのは,修士課程修了までの間にトレーニングを増やすことと,オン・ザ・ジョブ・トレーニングで若い教員を鍛えあげるのと,どちらがより有効なのだろうか。ここのところの私の調査を見るに,やはり先生は「学校で育つ」ように思う。現場で,それこそ大学院と行ったり来たりしながらでも研鑽を積むほうが,圧倒的な力になると思う。
 そしてもうひとつ,上に書いたように自由度の高い開放性教員養成制度を堅持するほうが,多様な人材を確保する意味でも有効なのである。

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