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October 19, 2012

「無理!」がひっかかる

無理(広辞苑より)
1 道理のないこと 理由のたたないこと 例)無理を通す。 無理を言う。 怒るのも無理はない。
2 強いて行うこと例)無理をして体を壊す。 無理に連れ出す。
3 行いにくいこと するのが困難なこと例)無理な頼み 子供には無理だ。

 最近友達のメールや学生のコメントに,この「無理」という単語がしばしばみられるようになった。もう少し即した用例にすると「っていうか無理」とか,「火曜日は無理」といった感じで,拒否を表現する用法として使用されている事が多い。この拒否の対象は,他者の行動に対して,それに同意しかねるという拒否や,予定された行動ができないことに対する拒否として表現される。辞書の用例で言えば3番目の意味がもっとも近い。
 個人的にこの「無理」という語を単発で投げかけられると,最近どうも当たりが強い気がしてあまり良い感じがしない。「〜をするのは無理があります」とかならばもちろん違和感はない。無理という本来の意味が,かなり強い印象を与えるのか,日常の拒否・断りの表現にこれを使われるとどうも,である。

 しかしながら,これが他者に対する婉曲表現と解釈することもできるようである。たまたま見つけたテレビ番組のホームページでは,自己の拒否を婉曲的に表現する事で,他者に対する否定を回避すると説明されている。なるほどそれ自体理解できる話である。
 とはいえ,これも実は引っかかるのである。他者とのコミュニケーション場面において,他者の意向や医師を無視して,自分の印象・感情を「無理」という言葉でズバッと提示されるのも,それはそれで非常に自己中心的に感じられなくもない。むしろ,こちらの立場を差し置いて「無理」と言い放ってしまい,婉曲的な印象が感じられないこともあるのではないかと思う。「やだ〜」とか「面倒〜」のような意味で言われると,そう言わずしっかり取組まんかい!と思わずいいそうである。

 言葉は時代によって変化するものなので,嘆かわしいと反対の立場を表明するのもどうかと思うのだが,コミュニケーション場面において他者との関係調整に変化があるのかなあと思ったりする。この辺り,今後も少し気にしておくことにしたい。

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