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April 14, 2013

サンクトペテルブルグ交響楽団

2013/04/14 石川県立音楽堂 指揮 井上道義
チャイコフスキー   ロミオとジュリエット 
ストラヴィンスキー  火の鳥(1919年版)
ショスタコーヴィチ  交響曲第5番「革命」
  同        バレエ組曲「ボルト」より荷馬車引きの踊り
 
 まだソ連が崩壊するちょっと前,レニングラードと呼ばれていた頃,熊本でレニングラード・フィルハーモニー交響楽団のコンサート(テミルカーノフ)を聴いたことがある。ショスタコーヴィチの「祝典序曲」がそれはそれは華々しかったことを覚えている。今回「有名でない方」のペテルブルグのオケが来た。それも井上道義で,おまけにロメジュリ,火の鳥,革命って,今時高校生じゃないんだからそんなド派手なプログラムにしなくても...ロシアのオケにこのプログラム,そして井上。考えただけでも何だか。金管が咆哮し,ダイナミクスやテンポが殊更に弄られる爆演。そんなイメージではないか。もう大人なんだから,そんなコンサートには行きませんと言いたいところだが,やはり好きな曲が並ぶとねえ。そんなわけでいそいそと行ってきた。席はお馴染みの2階バルコニー。

 このオーケストラ,一言で言うと音のいいオケ。弦は重厚とか瑞々しいではなく,ウェットでたっぷり。管もバリバリと品のない音は出さない。そして基本的に音が大きい。ピアニシモもきちんと鳴らす気持ちのよい感じである。入りが不安定だったり,ところどころでミスがでたりと,ムラヴィンスキーのレニングラードのような正確無比な演奏ではないが,音の良さだけでも大変良かった。
 


 

 一曲目は美しいチャイコフスキーの幻想序曲。たっぷりビブラートの効いた弦も,芯のしっかりした音の木管も良い。井上はここではいつも通りメリハリはあるが,比較的オーソドックスに。すっと音楽に入ることができた。
 その後火の鳥へ。火の鳥が火の粉の羽を散らしながら飛ぶような美しさと,抜き差しならないスリリングさが身上の曲。今回はそういう鋭さは少なく,いくぶんあっさりと。ただしパーカッションが非常にキレの良い演奏をした。
 そしてショスタコの5番。あまりにも有名なこの曲。おそらく演奏機会も多いのであろう。ひょっとすると誰が振ってもこうなのではなかろうかという感じだった。ちなみに4楽章は4分音符=88。それよりちょっと速め。アッチェルもほとんどなし。
 この曲で最も際立ったのはフルートのドルゴフ,とても若いと思われる首席奏者は,とても美しい音でソロをとっていた。今回の井上は全体として細部は気にしないといった感じで,さらっと曲を進めていく(もちろん指揮はさらっとはしていない)。ところどころタテがよれても,バランスが意外でもいう感じであった。

 細かいことはあれど,やはり好きな曲をずっと聴くのは楽しい。演奏する側も手慣れたものなのであろう。こうやりたいという意志を感じる演奏だった。何にせよ「爆演」で疲れることがなかったのは幸い。日曜日の昼下がり,しばし日常を忘れるいい時間。楽しかった。

 アンコールは珍しいショスタコーヴィチのバレエ音楽。わかりやすい曲想で,井上の指揮もかなり好き勝手。それでもオケは何事もなく。ひょっとすると,誰も振ってなくとも良かったのかもしれない(ボソッ)。

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