(元)熊本県民の熊本旅行(その1)遙かなる故郷

生まれも育ちも熊本。生粋の熊本っ子である。それでも高校を出てからもう22年という。故郷より,その他の場所が長い。おまけに県外で結婚などしてしまえば,「本籍」すらもう熊本ではないのである。長いこと,盆暮れの帰省以外,めったに行くこともないところ。遙かなる故郷。
無沙汰も甚だしいが,5月7日は亡父の7回忌である。帰らねばならない。そして新しい「本籍」の同居人は,まだ熊本を知らない。そこでGWの休みを使って,珍しくきちんと帰ることにした。単に実家に帰るだけでなく,熊本をあちこち回る旅。生まれて初めての「熊本旅行」なのである。
5月1日に,これまた初めて新大阪から「さくら」に乗って熊本へ。両側2列の贅沢なシート。ゆったりしながらも3時間半かからない鉄路。到着したらそのまま熊本の二大ホテル,ホテルニュースカイに投宿。今でこそ日航やオータニもあるが,熊本の高級ホテルといえばホテル・キャッスルとニュースカイと相場が決まっていた。今では随分リーズナブル。

まずは熊本城。そしてアートをものす細君のために県立美術館へ。ここへ来るのも高校以来ではなかろうか。落ち着いた建物は今思えば好感が持てる。コレクション展だけをざっと見る。今西コレクションや細川コレクションといった寄贈による優秀な作品群もあるが,最近は丁寧に収集もしているようで,藤田嗣治の作品などもある。藤田が熊本に縁があるなんて知らなかったが,どうも小学校時分にしばらく住んだことがあるらしい。それを縁というか?と思わないではないが,それはそれで。
もちろん現代美術館もチラ見(展示替えでめぼしい展示はなし),伝統工芸館は時間切れで閉館。残念。それならばご飯でしょう。

馬刺しもからし蓮根もあるが,私としては魚を食べてほしい。水槽から上げたての,身のしまったやつを何としても。もちろんこれを叶えるのはそう難しくはない。お願いすれば(きちんと払えば!)たいていは食べられる。盛り合わせを頼むと鯵が姿造りで。鯵なのに身がプリプリでかみ切れないほど。鯛も十分に締まっている。そして端っこにはコノシロが。馴染みのある魚だが,これは決して刺身で旨いものではない。さてどうしましょう。
たまたま頼んだ「一文字(ひともじ:小ぶりの青ネギのこと)のぐるぐる」は酢味噌。これをからめて食べればあっという間に乙な酒肴に。このぐるぐる,熊本県民もそう滅多に食べるものではない。あくまで名物料理。細君はいたく気に入った様子。
それにしても平日だというのに,繁華街は人が結構出ているし,飲み屋街の広さもなかなか広い。さすがに政令指定都市とはそういうものなのかと思った。

それにしても,どこへ行っても「くまモン」だ。まるでディズニーランドのミッキーマウス並み。おい,クマが馬売ってどうする? こうして熊本の夜は更ける。明日からはいよいよ,熊本をあちこち回ることになる。
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