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November 09, 2013

先生は楽しそうな顔をしておく

  8日,金沢で開かれた国立病院総合医学会というところに呼ばれてシンポジストを務める。シンポジウムのタイトルは「看護教員の魅力を考える」。
 私も10年以上関わっているが,日本にはたくさんの看護学校・看護大学がある。看護師の数は学校教員よりも多いのかもしれない。その人たちが知識と技能を身につける看護教育には,おもに看護師を経験した人たちが担っている。その看護教員は慢性的に「足りない」のである。どうやったら教育に携わってくれる人たちを増やすか。そのためにどうしたら良いかと真剣に考え,こういう会になったのだという。私は,教育研究の立場から話をする役割である。

 看護学校の先生は,その多くがとてもマジメな人である。そもそも人の命を預かる看護師は,皆さん真剣でマジメだ。いつも真剣で責任感が強く,そのせいか学校でも皆さん相当にキビシイ。今どきあれほど厳しいのは,初中等教育には少ないのではないか,というくらいである。その先生たちが,真剣に,まじめに魅力を語ろうとしている。
 それを見ながら,尊敬とともにちょっとだけ天邪鬼の虫が騒ぐ。こんなにバリバリで真剣な人たちをみて,多くの看護師さんはどう思うのか。きっと私と同じように,尊敬もし,近寄りがたい存在に見えないだろうか。自分も,同じようになれると思える人が,どのくらいいるのだろうか。
 教師に魅力があるとすれば,そういう高い実力もさることながら,「先生ってなってみたら楽しそうだ」と思える要素も大事なのではないかと思う。「すごい」ことと「魅力的」であることは,必ずしもセットではない。

 そこで真剣な先生たちを前に,ちょっとギミックをかける。軽やかにステージに登り,満面の笑みでプレゼンをし,みんなを笑わせる。既にプロとしての腕を持つ看護師の皆さんにとって,先生になることはそれほど高いハードルではないこと。現に目の前の私をみたら,そんな気がするように振る舞う。そう,先生になろうかと思うキッカケとして,モノスゴイ人でなく,そして楽しそうにしていることは大事なのだ。
 
 別の視点で言えば,自分が生徒・学生であった時,学校が良いところで,楽しいところで,その中に先生がきちんと居ることを実感しないと。先生になんかなりたくはないものだ。その意味で,教員の魅力は「素敵な先生をやり通す,演じ通す」ことに尽きるように思う。

 終わった時,過去の教え子である看護師,今の看護学生に「いつも通りだったね,懐かしかった」,「面白かった記憶を思い出した」と声をかけてもらった。そう,私は学生の前ではそうあるように必死なのだ。

 そう。私の笑顔は決して生まれついての素顔ではありません。20年かけて,心からそうあるように磨き上げた,先生として筋金入りの笑顔です。作為ではいけないので,それが真の姿であるようにすること。それが最大の努力です。

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