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April 08, 2015

ギドン・クレーメルwithトンヨン・フェスティバルオーケストラ

2015.04.07 石川県立音楽堂

プログラム 
尹伊桑 礼楽
シベリウス ヴァイオリン協奏曲
マーラー 交響曲第4番
(アンコール クレーメル:ワインベルク,ヴァイオリン・ソナタ2番 ウルリヒ:リヒャルト・シュトラウス,「4つの歌」より「明日の朝」)

指揮 クリストフ・ポッペン
Vn ギドン・クレーメル
Sop カロリーナ・ウルリヒ

 「クレーメルが来れーめる」。今回のコンサートはなによりこういうことかもしれない。韓国出身の現代音楽家尹伊桑を顕彰したフェスティバル・オケは知らなくても,クレーメルが演奏するならやっぱり行きたい。しかもチケットは驚くほど安い!
 初めはユン・イサンの管弦楽曲。重層的な音が続く。この曲については旋律という手がかりが私にはほとんどわからない(彼のすべての楽曲がそういうわけではない)。パーカッション以外で細かな拍の変化も少ないので,その音の層に向かい合うことになる。多くのオーディエンスは地図のないオリエンテーションをするかのような感じで聴いている(こういう時楽員はどう感じているのか気になる)。

 続いてクレーメル。私が知っているシベリウスの中でも,非常にバリエーションの豊かな音で演奏。もっとカチッと演奏する印象があったが,結構に揺らし・ずらし,変動のある演奏。師であるオイストラフが骨太なら,クレーメルはもっと緻密な技巧を感じた。第3楽章では一気に爆発し,圧倒される。音はやや湿度のあるウェットな感じだったのだが,音楽堂でヴァイオリン協奏曲を聴くと,音の芯の部分,あるいは中音域だけが強調されて聞こえ生々しく感じる時がある。今回もそんな感じはあったのだが,アンコールでは本当に艶と潤いのある音を聴くことができた。素敵な音だなあと心から。
 オーケストラも同様に,弦の美しさを中心にやはり潤いのある感じ。指揮のポッペンさんはあまり知らないなあと思っていたが,ケルビーニ弦楽四重奏団の第1と言われれば思い出す。木目を濡れ布巾でさっと拭いたようなウェットな艶のあるぎゅっと詰まった音が心地よい。

 マーラーの4番。出だしからちょっと速いなという印象。4番は「速すぎずに」という指示の多い曲だが,60分近い演奏が増えた昨今,とてもキビキビした印象を持つ。そしてダイナミクスも通常より少しずつフォルテ側に片寄った印象を感じた。はっきり・くっきりした演奏。それが聞き飽きない感じを与えて個人的には好ましく感じた。ソプラノのカロリーナ・ウルリヒはその中で振り子のように途中が深くなる発声。出だしと上がりがさらっと薄くなるので,ところどころではっきりしたオケと噛まない感じではあったが。若さがこなれた頃にはもっと深く・厚くなるのかなあという優しい声。リヒャルト・シュトラウスのアンコールではより慣れた感じでさらに丁寧な優しさを感じた。

 1階は結構な入り,3階辺りになると随分少なかったようだが,このプログラムではこれだけ来るのはすごいなあと。一つだけ気になったのは,中学生や高校生の聴衆がとても少なかったこと。私がその時期だった頃には,もっと多くの10代が聴きに来ていたような気がするが。このプログラムとはいえ(おまけに廉価なのに...)少ない気がした。
 

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