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October 31, 2024

歌劇 「ラ・ボエーム」

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歌劇「ラ・ボエーム(全国共同制作オペラ)
2024.10.26 金沢歌劇座 指揮 井上道義 オーケストラ・アンサンブル・金沢

 井上道義が手がける最後のオペラになるという今回のコンサート。金沢では数少ない舞台装置付きのフル仕様である。私自身、ラ・ボエームは何度か舞台に立ったこともあって大変馴染みのある演目でもある。
 ボエームと言えばミミとロドルフォの主演。そして同じくらい主演格のマルチェルロとムゼッタ。その他多彩なキャストがそれぞれの役どころを魅力的に表現する。もともとマルチェルロとムゼッタが好きな役どころだが、今回のマルチェルロ役の池内響さんは実に良い声のバリトン。ボリュームたっぷりでよく通るバリトンの響きは、一貫して説得力のある歌であったし、台詞部分にあたる歌もやや感情の起伏強めのマルチェルロになっていて良かった。ムゼッタのレヴォルスカヤもムゼッタらしい魅力的な歌い方と演技。ちょっとスレた感じのムゼッタのキャラクターを十分に表現。ミミ役の中川さん、ロドルフォの工藤さんも聴かせどころの音高のところが大変ハマっている。
 オケは井上率いるOEK。このためにエキストラもかなり入っていたようだ。金沢歌劇座で、たまたま私の席のせいもあろうが、時折ソリストの歌がオケにマスキングされてしまい、その部分がもっとしっかり聴きたかったのにという場面もところどころ。そういう細かいところはともかく、全体としてケレン味の少ない手堅い演奏。またオーディションによる一般も含む合唱、そして児童合唱も全体に引けを取らない歌声であった。特に児童合唱はバーンスタイン=聖チェリーリアのそれを思い出すような綺麗な歌声で印象的。
 舞台はダンサーつきの演出。もちろん今や珍しくもないが、これが上手くハマる時とそうではない時がある。今回は幕間のちょっとした時間にも彼らのパフォーマンスが。その間にスッと舞台替えが進んだり、絶妙なタイミングでそっと雰囲気を添えたりと、なかなか良い演出であった。何より、第2幕のカフェ・モミュス。合唱の一人一人にも丁寧な役どころの演出があって、それがまた何より満足させられるものであった。
 とても個人的な感想としては、去年からちょこちょこイタリア語を練習したりしていたので、歌詞が以前よりイタリア語としてよく聞こえたこともちょっと楽しかったり。久しぶりにフル形式のオペラを見て大満足だったというのが正直なところである。年に一回くらい金沢で観れたら嬉しい。

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